お知らせ
去る5月29(水)、進路・将来を見据えた課題解決や、グローバル課題の解決などの探究活動に取り組んでいる探究コース2年生を対象に、JICA駒ケ根訓練所を訪問しました。
実施プログラムは、JICAの事業概要説明、施設見学、青年海外協力隊員の体験講話、青年海外協力隊訓練生とのランチミーティング、異文化理解ワークショップ、ネパール語の語学体験授業の順で行われました。
はじめに、世界や開発途上国の現状のお話の後、JICAの活動について説明していただきました。JICAとはそもそもどのような団体なのか、また訓練所ではどのような訓練が行われているのかなどをお話ししていただきました。
その後、施設見学を行いました。様々な施設を見学しましたが、今回特に貴重な体験ができました。それは実際に語学の授業が実施されている中で教室へ入らせていただいたことです。その教室ではスリランカ語の授業が実施されており、スリランカ語で自分の名前を書くとどうなるか、実際に書いてみよう、という即興体験授業が行われました。
午前最後のプログラムはネパールで環境教育を行った丸山千鶴さんの講話でした。丸山さんはネパールの市役所に2年間派遣され、当地の学校で子どもたちにゴミの分別の授業を行ったり、現地の人々と清掃活動を行ったりしたそうです。日本にいると考えられないことかもしれませんが、実はゴミ箱の維持をすることが難しいという問題に頭を悩ませたそうです。このような経験を通じ、丸山さんは「多文化受容・多文化共生」とは「自分の中にある当たり前と相手の当たり前が違うということを受け止める」ことであるという考えに至ったそうです。これは「対・外国人」ということだけにとどまらず、日々我々が暮らしていること自体ですら「多文化受容」であると話してくださいました。同じ家族、または同じ学校の友人同士でも、それぞれが持っている「当たり前」は異なります。日々の暮らしの中で、先の「当たり前が違うことを受け止める」という実践の重要さに気づかされました。
昼食は訓練所施設内の食堂でとりました。この日のメニューはセネガル料理の「ヤッサプレ」という料理で、鶏肉をレモン汁などで煮込み、それをご飯にかけていただくというものでした。生徒にも好評で、おかわりをしている生徒もおりました。また、この日の昼食はこれから派遣される予定の訓練生の方々と一緒にとりました。それぞれ生徒から見ると目の前に様々な国へ派遣される予定の方々がいます。そうした方々からどのような国で、どのような仕事をするのか、なぜ海外へ行こうとするのかといった話を聞けるのは大変貴重な経験になりました。
午後のプログラムは、異文化理解ワークショップから始まりました。生徒たちは4~5人のグループになり、各グループ1枚の写真を渡されました。その写真は各グループ異なるもので、それぞれある国のある家族が写り、そして家族の前にはその人たちが日々食している食糧がずらりと並んでいるものでした。すると「その写真からわかることは何でしょう」「その写真はどこの国の人たちでしょう」というクイズが出題され、生徒たちはああでもない、こうでもないとみんなで議論しながら答えを探していました。
ネパール語の語学体験授業では、講師のサヤミ先生にネパール語を教えていただきました。ネパール語の学習に加えて、サヤミ先生が日本語を学ぶ際に体得した外国語の語句の捉え方についても教えていただくなど、非常に実践的で興味深い語学体験授業になりました。
普段は聴くことができないJICAの活動や青年海外協力隊員の体験談、語学体験授業を通して多くの学びと気づきがありました。今後、探究活動のテーマを掘り下げていくにあたり、参考になる学びが随所に散りばめられた、大変充実したJICA駒ケ根訓練所訪問になりました。